KYOBASHI ART WALL 第4回優秀作家展覧会 ネルソン・ホー「赤い空に飛んでいた赤い鳥」
「KYOBASHI ART WALL―ここから未来をはじめよう」の第4回優秀作品に入選した作家、ネルソン・ホーの展覧会を2024年2月28日~3月10日に開催いたします。日本画の手法を用いて赤い岩絵具で描くネルソンの作品はメンタルヘルスやLGBTQに対する差別などの社会問題をテーマにしています。本展ではTODA BUILDING建設中仮囲に掲出している《編むこと、思い出すこと》の実作品に加え、不吉なことを想起する赤い鳥が舞う空が広がるインスタレーションを展覧いたします。
赤い空に飛んでいた赤い鳥
タイトルの 「赤い空に飛んでいた赤い鳥」は、台風や大雨の前に空が赤くなる現象と鳥は危険を察知すると空を飛ぶ現象に由来します。
LGBTQの人は、ヘテロの人に比べて2.5倍うつ病の症状になりやすく、思春期のクィアの人は性的グルーミングの被害者になる可能性が4倍高いようです。幼少期に受けた未解決のトラウマは、大人になってからも無意識に繰り返し想起され、徐々に考え方や人生観の形成に影響します。
今回の展覧会では、砂漠の中で方向感覚を失っているような空間を作りたいと考えました。砂漠は子どもの頃の部屋であり、純真さと純粋さを奪ったカラスの群れに囲まれています。性的トラウマや性教育の欠如、セクシュアリティへの理解不足に起因する、多くのクィアの人が幼少期に感じた孤独や無力感をインスタレーションで表現したいと思います。
トラウマは冷酷な鳥、そしてわたしたちはその羽を悼みます。
(ネルソン・ホー)
INFORMATION
- 会期
2024年2月28日(水)~3月10日(日)
12:00~18:00 月曜休場
[オープニングレセプション:2月28日(水)17:00~19:00(作家在廊)]
※2月29日(木)はイベント開催に伴い16:30閉場。- 会場
KYOBASHI ART ROOM(東京都中央区京橋1-8-4 京橋第二ビル4F)
- 主催
戸田建設株式会社
- 後援
中央区
ネルソン・ホー
1998年マレーシア、ペナン生まれ。2022年多摩美術大学日本画専攻卒業。メンタルヘルスやLGBTQに対する差別など現代の社会問題をテーマにした絵画、刺繍、インスタレーションなどの作品を制作している。近年の展示に、 2023年FOCUS LONDON(Saatchi Gallery/ロンドン)、2022年Memory is a Garden(GALLERY ETHER/東京)。2022年「アートアワードトーキョー 丸の内」審査員建畠晢賞。